令和6年の新春を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。

平素より当協会の運営に格別のご支援、ご協力を賜り衷心より御礼申し上げます。

まずは、本年元日に発生した石川県能登半島地震と、1月2日に発生した羽田空港における航空機衝突事故で被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を表します。

さて、コロナ禍が始まり4年弱、経済活動がようやく通常に戻る兆しが見えてまいりました。しかしながら、生活様式や経営環境が大きく変化し、ポストコロナ時代の事業運営のあり方を模索する中、ロシアのウクライナ侵攻やイスラエル・ハマス紛争をはじめとする国際的紛争が世界経済に大きな混乱をもたらすなど、昨年も非常に厳しい1年となりました。

「エッセンシャルワーカー」として国民生活を支える貨物自動車運送事業を取り巻く環境においても、急激な円安進行等の影響により、燃料や車両価格の高騰が続き、労働力確保のための人件費上昇にも直面しており、予断を許さない状況が続いております。

こうした中、いよいよ2024年4月より働き方改革関連法の改正に伴う時間外労働の上限規制ならびに改正改善基準告示が適用となります。しかしながら、依然として充分な体制整備ができているとは言い難い状況にあり、多くの中小事業者においては厳しい経営環境下で大きな変革が求められる1年になることが予想されます。政府においても、昨年閣議決定された「物流革新に向けた政策パッケージ」及び「物流革新緊急パッケージ」にて、ドライバーの労働環境改善や人材確保に向け、早期に具体的な成果が得られるよう、業界への力強い支援策がまとめられたところであります。

2024年の事業活動においては、引き続き会員事業者の経営基盤を支援すべく、昨年7月に創設された国土交通省「トラックGメン」のお力添えをいただきながら、本年中に新たに見直される「標準的な運賃」を基にした適正な運賃料金の収受と荷主対策の深度化に向けて、一層の啓発活動に取り組んでまいります。

また、地方創生臨時交付金等を活用した燃油価格高騰対策、生産性向上に向けた利用しやすい高速道路料金の実現と物流ネットワークの形成支援、そして高速道路の速度規制緩和の拡大等をはじめとする諸課題の解決に向けて、自由民主党愛知県議員団運輸振興議員連盟をはじめ、自由民主党愛知県支部連合会、公明党愛知県本部の先生方とも連携し、要望活動を一層強化してまいります。

一方、依然として県下で多発する交通事故を撲滅するため、「トラック事業における総合安全プラン2025」に掲げる基本目標達成に向けて、当協会独自の重点目標を設定し、関係行政と一体となって事故抑止活動や安全教育支援、先進機器の導入助成、事業運営に資するセミナーや講習会の開催等を実施してまいります。

適正化事業においては、全国適正化事業実施機関と連携し、巡回指導におけるD・E事業所への重点指導により、業界内の法令遵守を一層徹底し、荷主や消費者の皆様にとって安全で安心な業界を目指してまいります。

さらに、就職面談会やハローワークと提携した地域密着型就職イベント等の人材確保対策事業を継続し、業界PR動画の配信やSNS等を活用した広報活動を展開するなど、業界イメージや魅力向上を積極的に後押ししてまいります。特に、昨年は4年ぶりに開催された「名古屋モビリティショー」にブース出展し、生活に欠かせない「物流」を支えるトラックの役割と魅力を広く周知いたしました。物流の必要性について更なる理解・浸透を図るべく、本年10月にはポートメッセなごやにおいて「トラックFes2024」を開催いたしますので奮ってご参加ください。

そして、中部トラック総合研修センターにおいては、輸送の安全確保に係る人材育成のため資格認定講座や実践的研修の更なる充実に加え、大規模災害発生時の物資輸送拠点に指定されている当施設について、有事の際、速やかに愛知県基幹的広域防災拠点と連携を図れるよう、実効性のある体制整備を進めてまいります。

最後に、現在建替工事中の新トラック会館は、いよいよ本年11月竣工予定となっております。これを機に、より一層職員一丸となってトラック運送業界の発展のため迅速かつ的確に活動してまいります。

結びに、トラック運送業界への更なるご理解とご協力をお願いするとともに、皆様のご多幸とご健勝を祈念いたしまして新年のご挨拶とさせていただきます。

一般社団法人愛知県トラック協会
会長 寺岡 洋一