4月14日の運輸審議会(国土交通大臣の諮問機関)において、2月26日付で試問を受けていた「標準運賃の告示」について、全日本トラック協会の馬渡副会長が公述人として意見を述べた4月2日開催の公聴会をふまえ、「能率的な経営の下における適正な原価及び適正な利潤を基準としたものである」として、大臣が標準運賃として定めることは「適当である」との答申が行われました。
これにより、今後、国土交通省において、制度施行に向けて速やかに所定の手続きがなされる見込みです。今後、当協会においても、告示の周知に向けて、行政と連携して取り組んで参ります。
本件の詳細及び告示運賃や要望等の概要はこちらよりご覧いただけます。
[標準運賃の告示とは?]
働き方改革関連法により、全産業に対して、罰則付きの時間外労働の上限規制が令和6年4月から施行されることに伴い、平成30年12月に「改正貨物自動車運送事業法」が成立しました。この法改正において重点施策の一つにも位置付けられた、各運輸局ごとに告示される貸切トラックの「距離制運賃」と「時間制運賃」の2種類の運賃表(タリフ)のことです。
トラック運送業界は中小零細事業者が多く、規制緩和以降の過当競争を背景に、荷主に対しての運賃交渉力が弱く、コストに見合う運賃収受が難しいことから、安全な輸送サービスの確保や新たな人材確保もままならない状況が続いています。
そこで、令和6年3月までの時限措置として、社会インフラとしての物流機能を維持し、事業の健全な運営を図るため、行政が適正原価を考慮したトラックの標準運賃を算出し、事業者の皆様の適切な運賃収受とトラックドライバーの労働条件(長時間労働や賃金等)の改善をバックアップする措置が執られました。