国土交通省では、2025年度までを計画期間とする「事業用自動車総合安全プラン2025」を策定しました。

本プランでは、重傷者数、各業態の特徴的な事故に対する削減目標を新たに設定し、依然として発生する飲酒運転、健康起因事故等への対策、先進技術の開発・普及を踏まえた対策、超高齢社会におけるユニバーサルサービス連携強化を踏まえた事故防止対策等を盛り込み、世界に誇る安全な輸送サービスの提供の実現を目指します。

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事業用自動車総合安全プラン2025」を策定しました国土交通省WEB)


■事業用自動車総合安全プランについて(2009、2020の復習と2025の位置付け

国土交通省では、事業用自動車に関する総合的安全対策として、平成21年に事業用自動車総合安全プラン2009を策定しました。

『10年間で死者数半減/人身事故半減/飲酒運転ゼロ』を目標とし、以降10年間を「事故削減のための集中期間」と位置づけ、PDCAサイクルに沿って、事業用自動車の関係者と一丸となって事故防止対策に取り組んできました。

その後、軽井沢スキーバス事故や山陽自動車道トラック追突事故等の安全管理が不十分で社会的影響の大きい重大事故の発生、自動運転を見据えた自動車の先進安全技術や、運行管理にも活用可能なICT技術の開発・普及など、2009プランの策定時から大きな状況の変化があったことをふまえ、平成29年に事業用自動車総合安全プラン2020を策定しました。

トラック運送業界では国土交通省の目標値を上回る「トラック事業における総合安全プラン2020」を独自に策定し、具体的な数値を用い『トラックでは平成32年までに死者数200人以下/人身事故件数12,500件以下/飲酒運転ゼロ』及び『事業用トラックを第一当事者とする死亡事故件数を車両台数1万台当たり1.5件以下』を目標設定し、事故防止対策に取り組んできました。

■トラック事業における総合安全プラン2020(全日本トラック協会作成)

今般、上記の2020プランが令和2年度末を以て終了することを受け、国の事業用自動車に係る総合的安全対策検討委員会において、新たに対象年度を令和3~7年度とする「事業用自動車総合安全プラン2025」が策定されました。

今回は、依然として発生する飲酒運転、健康起因事故等への対策、先進技術の開発・普及を踏まえた対策、超高齢社会における事故防止対策や、感染症等による事業環境変化における安全対策、重傷者数削減目標だけでなく、各業態の特徴的な事故に対する削減目標を設定する等が策定ポイントとされており、全体目標は『24時間死者数225人以下、バス、タクシーの乗客死者数ゼロ/重傷者数2,120人以下/人身事故件数16,500件以下/飲酒運転ゼロ』とし、これに加えてトラック個別目標は『追突事故件数3,350件以下』とされています。