道路交通法の一部を改正する法律案が6月2日に衆議院本会議で可決・成立し6月10日に公布され、運転免許の受験資格の特例に関する規定の整備が盛り込まれました。

この改正により、普通自動車免許等の取得後1年が過ぎ「一定の教習を修了した場合」は、大型自動車免許および中型自動車免許の運転免許試験を受験可能となります。

これにより、例えば、18歳で普通自動車免許を取得し、一定の教習を修了すれば、19歳で大型免許・中型免許が取得可能となります。本規定については、警察庁が関係する政令整備を行った上で2年以内に施行される予定です。

なお、トラック協会では、若年ドライバー不足等を背景に、警察庁に対して、大型免許等の受験資格の見直しに関する要望書を提出していました。

その中で、大型第二種免許(旅客)の受験資格について、年齢要件や経験年数要件を引き下げる際には、大型免許および中型免許についても相応の引き下げ措置を講じてほしいと要望しており、今回の法改正によりそれらの要望が認められたこととなります。

「道路交通法施行令の一部を改正する政令案」について、令和3年11月5日(金)から令和3年12月4日(土)にかけて、パブリックコメントが募集されました。

「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令案」について、令和3年12月17日(金)から令和4年1月16日(日)にかけて、パブリックコメントが募集されました。

運転免許の受験資格の特例概要(令和2年6月10日公布/2年以内に施行)
免許種類 従来の要件 新たな特例
第一種中型 20歳以上で普通免許保有歴2年以上 19歳以上で普通免許保有歴1年以上(※特別な教習を修了した者
第一種大型
第二種
21歳以上で普通免許保有歴3年以上

※大型・中型免許の受験資格で担保している資質を特別な教習により年齢要件が担保する「自己制御能力」及び経験年数要件が担保する「危険予測・回避能力」を養成

また、今回の改正に伴い、免許取得前後に以下のような新たな安全対策が整備されます。

安全対策について
免許取得前(特別な教習) 免許取得後(若年運転者講習)
技能録画(実車)
性格と運転の概要(座学)
運転適性検査の結果・録画映像に基づく個別的指導(座学・実車)
危険予測・回避能力の養成指導(座学・実車)
大型免許は21歳、中型免許は20歳に達するまでの間に、違反点数が一定の基準(累積違反点数が3点以上、ただし1回の違反で達した場合を除く)に達した場合に該当する違反行為を行った場合は、「若年運転者講習」の受講を義務付け
■時間数
36時限以上(適性・技能)
■時間数
講習時間9時間
■指導員
運転適性検査・指導については、73C型(取消処分者講習)による運転適性検査を行うことが出来る運転適性指導員が実施
■指導員
受講しない、または受講後に再び基準に該当する違反行為を行った場合、この特例により取得した免許が取り消される。

※ 第201回国会に警察庁が提出した「道路交通法の一部を改正する法律案」はこちら(警察庁WEB)からご覧いただけます。