国土交通省は4月24日、改正貨物自動車運送事業法により設けられた「標準的な運賃の告示制度」に基づき、標準的な運賃の告示を行いました。法令を遵守して持続的に事業を運営する際の参考となる運賃を示すことにより、トラック運送業における取引の適正化・労働条件の改善を促進します。

1.背景
トラック運送業においては、運転者の労働環境は他の産業と比べて長時間労働・低賃金の状況にあり、運転者不足が大きな課題となっています。こうした背景を踏まえ、運転者の労働条件の改善等を図るため、一昨年末、議員立法により、[1]規制の適正化、[2]事業者が遵守すべき事項の明確化、[3]荷主対策の深度化、[4]標準的な運賃の告示制度の導入を内容とする貨物自動車運送事業法の改正が行われました(※)。
※[1]・[2]については令和元年11月1日に、[3]については同年7月1日に施行済み。

このうち、「標準的な運賃の告示制度」は、一般にトラック事業者の荷主に対する交渉力が弱いことや、令和6年度から年間960時間の時間外労働の限度時間が設定されること等を踏まえ、運転者の労働条件を改善し、トラック運送業がその機能を持続的に維持していくに当たっては、法令を遵守して持続的に事業を行っていくための参考となる運賃を示すことが効果的であるとの趣旨により設けられたものです。

2.概要
標準的な運賃の告示制度については、国土交通省において、全国のトラック事業者の原価データの集計、適正な原価等の算出に係る作業等を行い、策定した標準的な運賃の案について、本年2月26日付けで運輸審議会への諮問を行ったところです。同審議会における審理及び4月14日付けの同審議会からの答申(※)を踏まえ、本日、別紙のとおり一般貨物自動車運送事業に係る標準的な運賃の告示を行いました。

国土交通省プレスリリース(国土交通省)

一般貨物自動車運送事業に係る標準的な運賃について (国土交通省)

概要:標準的な運賃について(下記サムネイルのPDF版)(国土交通省)